冬はつとめて。雪の降りたるはいふべきにもあらず。霜のいと白きも、またさらでも、いと 寒きに、火などいそぎおこして、炭もてわたるもいとつきづきし。昼になりて、ぬるくゆるび もて行けば、火桶の火も白き灰がちになりてわろし。(枕草子 清少納言)

まさに、この描写のような季節になりました。それにしても清少納言の表現力や観察力は素晴らしいですね。清少納言は、さらに、120段ではこう書いています。

正月に寺にこもりたるは、いみじうさむく、雪がちに氷りたるこそをかしけれ。雨うちふりぬる景色なるは、いとわろし。(120段)

 雨よりも雪のほうが寺院参拝にはふさわしいと述べ、清水寺へと参拝したのでした。この清少納言は行動力がある女性として知られています。つまり好奇心旺盛だったのです。その好奇心が、素晴らしい文学作品を生んだのだと私は思います。子どもたちも、いろいろなものに好奇心を持ってほしいと思います。

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